好きなものとか

ひとつだけ好きと決められない今日を「器用貧乏」言い訳にして

人知れず溢れた言葉の軌跡だけ 2017(ニーゼロイチナナ)短歌のまとめ

  1. 骨箱を抱き立つ兄の唇に一粒のガムそっと差し出す

  2. 熱が出て看にきてと言う君のこと「もう好きじゃない」マスク越し、キス

  3. 粘膜のひりひりと痛み きみとぼく 断絶 ぼくをつくる 境界線(ボーダー)

  4. 七月の九日 今日は 私からあたしに成った 最初の夏の日

  5. 設問一 過去の女性の口紅で一番愛した色は何色?

  6. 設問ニ さんかく・しかく いくつでも使ってひとつ絵を描いてみて

  7. 設問三 いますぐ会いたい人は誰?ただしあたしとあの子は除く!

  8. 設問四 軽妙洒脱 思いつく 言葉をどうぞ 例 ボッティチェリ

  9. 「友達」と名前をつけた関係が終わりを告げる十七の冬

  10. 首筋に一房垂れる後毛の白髪混じるも君は美し

  11. 人知れず育ってしまった恋だから 証拠隠滅 飲み干して、愛

  12. 愚かだということにも気づかないくらい愚かに生きたかった

  13. 死にたいと毎日思うこともない人がほんとにいるの?ほんとに?

  14. いつだって認めてほしいほしかった 自分一人で愛せばいいのに

  15. 唇の内側 濡れた肉が触れ 離れる一瞬鼻に抜く「m」

  16. ママ まぐわい まがいもの 耳 娘 無垢 まがまがし音 まろやかな音

  17. 疑いもなく通じてる きみとぼく 通じてる?なんら根拠もないのに

  18. テレビの中映る君らの眼差しが声が身体が交れと願う

  19. 過ちはなかったと思う僕たちが出会ってしまったこと以外には

  20. わたしのいう好きと君のいう好きは音は同じで音だけ同じで

  21. ステージの上で死んでもいい そんな顔をしてるね 幸せだよね

  22. 君、落ちる 夜空も見えぬ劇場の赤布ひらり白布ひらり

  23. 曇り空 無数の風船舞う今日がハレの日どうぞ幸せになれ

  24. 土砂降りのなか傘たたみ靴を脱ぎ 裸足で歩く?靴下でいく?

  25. 憧れを集めただけなのきらきらを集めたかっただけなのあたし

  26. 数センチ隙を残して欲望を促す装置 君は偶像(アイドル)

  27. 清純と異性の欲望 消耗品 一位は女神?それとも堕天?

  28. 僕たちは永遠にふたり ひとつにもひとりにもなれず隣を空けて

  29. パパは出て行く音だから呼んじゃだめ そういったママが今日 家を出た

  30. 御守りをAmazonポチり頼みますレターパックで届く?神様!

  31. 「今日5限、単語テスト」「まじ?」「やばい」「範囲は?」「しらん」既読11

  32. 君を忘れ 君が僕を忘れたら 躊躇いもなく死を選ぶのに

  33. 言の葉が落ちる流れる溢れるわ ここまで止めた血反吐の代わりに

  34. 指結び 一秒先の未来でも 一緒に生きてと願いは秘めて

  35. できるなら愛してあげたい永遠に何者にもなれないあたし

  36. ビー玉を都会の夜に透かし見てたった一つの星を手にする

  37. 込み上げる嗚咽を瞼の裏側に閉じ込めて立つ 赤い静寂

  38. ひとつだけ好きと決められない今日を器用貧乏言い訳にして

  39. 去年とは違う冬です。水溜り映る私と映らない君。

  40. 何一つ忘れてあげない 君のこと 第二ボタンは無くていいから